太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
西瓜。
それは、まるで息をしている様に見えた。
理由も無く、ただ純粋にそこに存在して、そして横暴な程に赤くて、黒くて、血の様な体液をツラツラと流す、西瓜。
母と男の住む家は、平屋のすすけた一軒家だった。
私はだいぶ前に、母に買ってもらった、少し丈が短くなって、毛だまだらけの赤いスカートを履いて、
静かにその平屋の一軒家に忍び込み、庭の影に身を屈め、窓の大きく開いた縁側を覗いた。
『ミナトは赤が似合うから。』
母がそう言っていた、言葉を思い出していた。
夏の午後。
辺りは静かだ。
八月の太陽。
太陽の鋭利な黄色が、私のびくびくした小さな視線を邪魔する。
その黄色の太陽の先に見えたのは、
縁側でその男の股に、割った西瓜を置いて穏やかな顔で寝そべり、むさぼる様に西瓜を食べる、
母だった。
それは、まるで息をしている様に見えた。
理由も無く、ただ純粋にそこに存在して、そして横暴な程に赤くて、黒くて、血の様な体液をツラツラと流す、西瓜。
母と男の住む家は、平屋のすすけた一軒家だった。
私はだいぶ前に、母に買ってもらった、少し丈が短くなって、毛だまだらけの赤いスカートを履いて、
静かにその平屋の一軒家に忍び込み、庭の影に身を屈め、窓の大きく開いた縁側を覗いた。
『ミナトは赤が似合うから。』
母がそう言っていた、言葉を思い出していた。
夏の午後。
辺りは静かだ。
八月の太陽。
太陽の鋭利な黄色が、私のびくびくした小さな視線を邪魔する。
その黄色の太陽の先に見えたのは、
縁側でその男の股に、割った西瓜を置いて穏やかな顔で寝そべり、むさぼる様に西瓜を食べる、
母だった。