太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
お願いします。

もう、全部消えて無くなってしまって下さい。
全部、全部、全部、全部、全部、全部。

太陽も月も空気も水分も、私から何もかもを奪って、ナニモナイ空っぽにして下さい。

空っぽの私には、きっと、痛みなんて少しも感じないから。

心なんか邪魔なだけだから。

私にはただ、邪魔なだけなのに。

遠くで何か、耳をつんざく音が響く。

帰り道を歩く私の後ろから、その音はまるで、私の体の真ん中を突き抜ける剣の様に鋭く鳴り続けて、私を包んでいた。

太陽は、相変わらず私を黄色に照り付けている。


それ以来、私は母の元を訪れた事は無かった。
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