…好きだったから。
「今日は…経済的な豆腐ハンバーグにしよ」
うんうん。
頷き、カゴの持ち手を腕に通し広い店内で安売りしている商品を物色。
さっとシャワーを浴びただけでお風呂から姿を現した聡は、わたしから文句をぶつけられっぱなしで鬱憤が溜まっていたようで。
『そうやって食べ物捨てなくても、冷蔵庫に入れておけば明日食べれるし。それにさ、食費稼いでるのは俺だから。瞳はまだバイトすら決まってないんだから、少しは考えたら?』
静かに口を動かし言葉を紡ぐ。
言いたいことをわたしに放ち満足したのか、わたしに何も言わせないためかすぐにベッドへと身を潜めた。
取り残されたわたしは、ベッドの端っこに身を寄せる。
背中合わせに寝るようになったのはいつからだったか…。
最初の1ヶ月は、本当に笑顔で溢れていたはずなのに、いつからこんなに顔を合わせればいがみ合うことしかできなかったんだろう。
背に伝わる聡の寝息を聞きながら考えた夜。