となりの太郎君
私から視線を外して、自分の握り拳を見つめてる。 「荻野…さん。」 荻野さんの左肩に触れようとした時、握り拳に一粒の雫が落ちた…。 何も出来ないの!?私には、荻野さんの中に有る闇に光を照らす事は出来ませんか?辛い時、手を繋ぐ事さえ出来ないの!? 悲しいよぉ…。 悲し過ぎるよ…。 もう一度、荻野さんの名前呼ぼうとしたけど、出来なかったんだ…。 声をかけちゃいけない様な気がして。 私には、今の荻野さんに触れる事さえ出来ないんだ…。 「帰ります…。」 そう言い残して荻野さんから離れた。 ソファーに座って、一人ぼっちで涙を流す荻野さんに別れを告げた…。
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