白衣の悪魔に恋してる
「担ぐ。」



完全拒否するあたしにキレてしまった先生は、



「やっ!!」



あたしの両脇に腕を突っ込み、



無理やり立たせると、



「行くぞ。」



「キャ!!」



グイッと腕を引っ張ってきた。



目の前には白衣から覗くストライプのネクタイ。



色がグレーなのが先生らしい。



「坂下。行くぞ。」



“担ぐ”って、



あんなにキッパリ言ってたのに…



やっぱりしないんだね。



いくらあたしを保健室に連れて行きたくても…



ううん。



あたしだけじゃない。



体調悪いコにはいつもそうだよね。



相変わらずの口調と言葉遣いだから…



ちょっと…いや、かなり脅されてるように感じちゃうケド…



本当にイヤがるコトだけはしてこないんだよね。



あたしはチラリと先生を見上げた。



「ん?どした?」



目の前にはいつもと違って少しだけ柔らかく微笑む先生。



先生…



先生…



あたし…



やっぱ好き…。

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