白衣の悪魔に恋してる
「先生…モテモテだね。」



「別に。」



保健室に着き、



ベッドへと寝かされたあたしは、



布団からチロっと顔を出しながら先生に話しかけた。



「先生…」



「あ?」



視線の先にはカチャカチャと体温計を捜す先生の後ろ姿。



好き…



大好き…



でも、



「ほれ。熱計れ。」



「ん。」



先生はあたしのコトなんて好きでもなんでもない。



お姫様抱っこされた時、



すごく特別な気持ちになって…



すごくドキドキしたんだけど…



“俺にお姫様抱っこして欲しけりゃ熱出せや”



先生のその一言で…



“お前は特別なんかじゃない”



“みんな同じなんだ”



って言われたみたいで…



胸が締めつけられるように苦しくなった…。



先生にしてみれば当たり前のコト。



先生は体調の悪いコには優しい。



そんなの分かりきってたのに…



苦しい…

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