白衣の悪魔に恋してる
「……冷え性じゃね?」



冷え性って…



っぽくないよ。



でも…



あたしは布団からチョロッと顔を出した。



「先生…」



「あ?」



「知ってる?」



「知らねぇ。」



うん。



まだ何も言ってないもん。



なんだか可笑しくて…



あたしは先生の背中を見つめながらプッと吹き出した。



すると手に持っていた数枚のプリントをデスクに置き、



クルっと椅子を回転させた先生は、



「お前…今笑った?ってか、寝ろよ。寝ねぇんなら送るぞ。」



手に持っていたボールペンであたしをビシッと差しながらチッと舌打ちしてきて…



送るって…



“帰れ”じゃないんだ…



やっぱ先生は優しい。



あたしは綻ぶ口元を布団で隠しながらもう一度、



先生に声をかけた。

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