いちごキャンディ
真夏の日光浴
ここは、ニューヨークの街中。真夏日まっさかりということもあって、ひとはタンクトップばかりきている。…に、しても暑いな。
俺はキョロキョロと辺りを見回しためいきをついた。
ーっ。なんだよ、みんなそろって、おなじ格好かよ?つまんねぇな。
そして、また、ためいきをつく。
ニューヨークも、終わりだな。
そんなことを考えていると、ドンッ!となにかが身体にぶつかってきた。
あ?なんだ?
俺は、ぶつかってきた何かをみた。
よく見るまえに声がきこえた。
「すっ、すみませんっ!!」
どうやら、女の子のようだ。
ぱっちりと目があった。…ふーん。かわいいヤツじゃねぇか。そいつは長くのびた薄ちゃいろの髪の毛を上手くわけてふたつむすびをしていた。目がくりっとして、ひとなつこそうだった。
俺より、2、3才年下ってとこか?
考えていると、またなにかいってるようだ。
「おっ、お怪我はないでしょうか?!」
あん?けが?
クスリと笑う。
このまま、返すのはもったいないな。
一瞬の間をついて俺はいった。
「ねぇけど。ちょっと付き合ってくんない?俺、いま、すっげーひましてんだ?」
ちょろい。俺はそう思った。もちろん、ことわれないだろう。
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