*Tiara*〜天使の君〜


ティアラはひどい揺れに目を覚ました




私………、そうだ。誰かに捕まって意識が遠くなって…




「あ………」




声を出そうとしたが口が布で覆われているようで声がでない





「お、目覚めてしまったようですね。」


その声で初めて男に抱き抱えられているのに気がついた


必死に体をねじり、男の腕から逃れようとする





「……んっ……」


「おっと…。あまり暴れないで下さい、天使の君。私が今、手を離したら落馬してしまいますよ。」




男の言葉に辺りを見回してみると、ティアラは全速力で駆けている馬に抱き抱えられて乗せられているようだった
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