ふたり



結の言葉を聞いて



だんだんと力が抜けていく



テーブルに叩きつけた手を



ダラリと下にたらした




「どうして?結」



うつむいてフローリングの床を ぼんやり見つめて



「どうして結はお荷物だとか、足引っ張るとか思うの?」




どうしてだよ 結



結にとってオレの存在は
そんなモノなのかよ?



確かにオレは怖かった



だんだんと小さくなってゆく結が



見たことない
見るはずのない姿に
変化して行く結を見るのが



怖かったよ




だけど 結



オレは結から離れたいなんて



一度だって 一瞬だって
思ったこと ないよ



バカにするなよ結



どうしてオレが結をお荷物だって思うんだ



足を引っ張るって思うんだ



結はオレと離れても平気なのかよ?



オレは結と離れては


生きていけないのに




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