【旧】モノクローム
いつの間にか目の前に現れていた奴はユウキに笑みを見せる。
だけど、その目は笑ってない。
「碧……?」
「最低だね。彼女に手を出すなんて、男のすることじゃないけど?」
そう、さっき肌と肌がぶつかった音とは、碧がユウキの拳を受け止めた音だった。
そして今も碧はその拳を離そうとしない。
それどころか、その受け止めた拳を握りつぶすかのように自分の手に力を込めている。
「……別れろよ」
「……ッ、ああ?」
涼しい顔の中にも怒りを見せてそう言う碧にユウキは威嚇するように唸った。
「聞こえなかったのかよ。……葉月と別れろって言ってんだよ」
いつになく低い威圧のある声で、彼はユウキに言い放った。
そのとき、少しだけ彼に恐怖を感じた。
「……クソッ」
ユウキは力任せに碧をの手を払うと、舌打ちをして私を睨むとすたすたとどこかへ行ってしまった。