思い出に変わるまで【完】
お医者さんに“最近”のことを色々話すと、


『そう……』


とだけ言って診察が終わった。



私は体のどこが悪いのかわからないまま薬を受け取って、宗介くんと病院を後にした。



もうどうでもよかった。



このまま死んでしまってもいいと本気で思った。




ただ楽になりたくて、お医者さんの言った通りの薬を口にした。



飲んでからしばらくすると頭がボーっとして、何も考えられなくなった。



その日、和志の夢を見ることはなかった。
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