思い出に変わるまで【完】
和志のことを忘れたいわけじゃないけれど考えるのが辛くて、私は薬に依存してしまっていた。



宗介くんは仕事が終わると私の家に訪ねて来て、今日あった出来事などを話してくれる。



そんな宗介くんの話を虚ろな頭でなんとなく聞いていた。



そんな毎日を繰り返しているうちに、自分がどこかおかしいことに気づいた。



ううん……。


本当はわかっていた。


薬を手放せない私。


薬に頼っている私。


そんな弱い自分……。


でも、そんなことに何の躊躇いもなかった。
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