precious one
ある日の休み時間。
体育の授業を終えて、教室に戻っていると。
「あっ、いたいた。井上!」
後ろから呼ぶ声がして振り返ると、
走ってくる片瀬と筒本の姿。
「どうしたの?」
「いや、それがさ、さっきの体育のバスケで、稔太突き指しちゃってさ。
保健室にいるから、井上行ってやってくんない?」
なんて、苦笑いしながら言う片瀬。
今の体育は、男子が体育館でバスケ、女子が外で陸上。
だから、稔太が怪我したなんて知らなくて。
「んー、じゃあ、あたし行ってくる」
「うん、よろしく」
利香に荷物を預けて、あたしは保健室へと向かった。
運動が大好きな稔太。
多分、張り切りすぎたんだろうな。