precious one


ある日の休み時間。

体育の授業を終えて、教室に戻っていると。


「あっ、いたいた。井上!」


後ろから呼ぶ声がして振り返ると、

走ってくる片瀬と筒本の姿。


「どうしたの?」

「いや、それがさ、さっきの体育のバスケで、稔太突き指しちゃってさ。
保健室にいるから、井上行ってやってくんない?」


なんて、苦笑いしながら言う片瀬。


今の体育は、男子が体育館でバスケ、女子が外で陸上。

だから、稔太が怪我したなんて知らなくて。


「んー、じゃあ、あたし行ってくる」

「うん、よろしく」


利香に荷物を預けて、あたしは保健室へと向かった。

運動が大好きな稔太。

多分、張り切りすぎたんだろうな。




< 18 / 61 >

この作品をシェア

pagetop