いつも隣には君がいた
隣は親友
あの頃の俺は幼すぎた。
だから、君を。君たちを傷つけた。

「春司。後ろ乗っけて。」

いつもと同じように自転車通学している俺に声を掛けてきた奴。
今日も朝から山野飛鳥(ヤマノアスカ)はハイテンションだった。チャラい見た目とは裏腹に頭良いし、スポーツ万能でモテるけど誰とも付き合おうとしない。「俺に釣り合う女がいないだけだよ」といつも俺に言ってくる。


俺たちは中学で同じクラスになった。初めはお互いを嫌ってたけど、1回マジ喧嘩したんだ。それから、俺らはつるむようになった。

お世辞でも頭が良いとは言えない普通な俺と同じ高校を受験した飛鳥は当然合格。今もつるんでる。

「おーい、春司。」

後ろにいつの間にか乗っている飛鳥が声を掛けてきた。

「なに?」

「俺らは運命共同体だからなぁ。俺は地獄の果てまでお前にくっついていくぞ。Ilove 春司。」

「はいはい。って恥ずかしいからやめろ。」


「転校してきました。立川弥生(タツカワヤヨイ)です。よろしくお願いします。」

前に立って自己紹介をしている子は今日、転校してきた子らしい。横では飛鳥が少し照れながら見ている。
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