引き金引いてサヨウナラ
チラリと時計を見た美菜は、まだ充分に時間があることを確認すると、無言で叶の腕をつかむ。
そのまま弘のところへ行き、弘の腕もつかんで教室を出た。
後ろで男子たちの声が聞こえたが、構わず引っ張る。
弘も叶も、美菜が何のために腕を引いているか薄々勘付いているようで、抵抗せずについてくる。
ひとけのない場所へ来てから、やっと二人の腕を放した。
「候補生に申込むって、晴香から聞いたよ」
二人の顔を交互に見ながら、美菜は言った。
二人とも、真剣な目で美菜を見つめ返し、それぞれ頷いた。