引き金引いてサヨウナラ
美菜は視線を落とし、溜め息をついた。
「本当なんだ……」
本人たちから改めて肯定されると、美菜の中でまた嫌な気持ちが膨らむ。
弘と叶は顔を見合わせ、美菜の落胆ぶりに「ごめん」と謝罪の言葉を口にした。
謝る必要はないと思っても、伝える算段がわからず、美菜は黙り込む。
彼らが謝ったのは、候補生に志願することを悪いとか申し訳ないと思ったからではなく、美菜の意見を切り捨てることになってしまったからなのだろう。
弘は少し考えながら、美菜に向かって言った。
「美菜が言ったように、晴香をそばで守ってやるのが俺のやるべきことなのかもしれないと思った。思ったけど……」
ちょっと言葉を切って、息を吸った。
「うまく言えないけど、やっぱり俺は、晴香や他のみんな、そしてこの町を守りたい。
俺に出来ることなんてたかがしれているけど、何かやらずにはいられないんだ」