引き金引いてサヨウナラ
候補生たちは、各々が自分を振り返っているようだった。
果たして本当に、その覚悟があったのだろうか――?
叶も、自分へ問い掛ける。
心のどこかに、『候補生だから、戦争へまでは行かないだろう』という甘い考えがあったのではないだろうか、と。
そうでなければ、今なぜこんなにも動揺しているのか。
美菜の言葉が甦る。
『いつかは戦争に行かなきゃならなくなるかもしれないんだよ?
死ぬかもしれないんだよ?』
美菜の必死な顔を思い出し、叶はそっと目を伏せた。