引き金引いてサヨウナラ


美菜はチラリと、弘のそばに立つ叶を見たが、すぐに弘と晴香に視線を戻した。


無言で佇む美菜に、叶も何も言わない。


病室には弘と晴香の声だけがあった。


和也は口をきゅっとつぐむと、叶に『廊下にいる』と合図をして、静かに病室を出ていった。






そんな中、晴香が思い切ったように弘に言った。


「弘。足のこと……きいたよ」


晴香は目を伏せ、弘からの言葉を待つ。


「そっか。
……どうする?晴香」


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