引き金引いてサヨウナラ
意外なことに、晴香の後押しをしてくれたのはご両親だったのだと言う。
『もちろん、私は何があっても弘と暮らしたいって思ってた。
そしたらお母さんがね、「退院してから支えになるのがあんたの務めでしょ。卒業したらなんて言ってないで、退院したらすぐに行きなさい」って。
こんな時代なんだから、居れるときに居なさいって言ってくれたの』
美菜は、そう言った晴香から、未来を選びとった清々しさを感じた。
でも、以前のように羨ましいと思う気持ちは強くなかった。
焦りも、空虚な気持ちになることもなく、ただただ「おめでとう」という気持ちでいっぱいだった。
「おめでとう。応援してるよ」
美菜の言葉に、晴香は嬉しそうに『ありがとう』と言った。
『それからさ、叶が高いところ苦手な理由、わかったよ』
そう言って晴香は、叶を問い詰めたのだと笑った。
「なんでなの……?」
『それがさぁ。
「この町の空はどこまでも高くて、吸い込まれてしまいそうだから」
だって』