引き金引いてサヨウナラ
出がけに、玄関の姿見でもう一度、トータルチェックする。
及第点であることを確認し、美菜は「いってきまぁす」と声を掛け、玄関のドアを開けた。
約束の時間まであと20分。
駅までは10分。
のんびり歩いても余裕で間に合う。
穏やかな日差しを降らせている太陽を仰ぎ見て、晴れて良かったと思いながら歩き出した。
爽やかな風がふんわりと、美菜の髪を撫でていく。
なんとなく軽やかな気持ちになって、うきうきとしていた。
晴香のいとこって、どんな人だろう――
思いを馳せながら歩くうちに、あっという間に駅についた。
待ち合わせ時間まであと10分もある。
念のためキョロキョロと辺りを見回してみたが、晴香たちの姿は確認出来なかった。