引き金引いてサヨウナラ
避難場所である小学校の校庭には、そこいら中の人が集まっていた。
がやがやとしているのに、いやに人の気配を感じられない。
活気のない騒がしさ。
青ざめ、恐怖を顔に張り付かせながら、それを追い払うかのように近くの者に話し掛けるもの、
連れとはぐれたのか、必死の形相で片っ端から捜しまわるもの、
泣き崩れているもの……
茫然と佇むしか出来ない。
「美菜!」
不意に声を掛けられ、振り返った美菜の目に入ったのは、弘だった。