四季〜二人で歩む季節〜


そう思った時、あたしの頭に浮かんだのはやっぱりレンで、だけどあたし達に未来はあるのかと切なくなった。


レンは優しいし、思わせぶりな態度をよく取るけど、その本心までは絶対に見せようとはしない。


今だって、あたしを心配しながらも他の女と抱き合っている。


それがレンの答えだとは思わないけど、あたしだけを見てほしいと思ってしまう。


すっかり夏になって寝苦しい日々を過ごしているけど、母親と会った日以来あの夢は見ていない。


母親とどう向き合っていくのか、考えなければいけないのに上手く頭が回らない。


母親の事もレンとの曖昧な関係も、全部暑さのせいにしているあたしが居た。


結局、今年も海や花火大会とは無縁の夏を過ごすのだろうか。
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