四季〜二人で歩む季節〜


けれど、ここまで来たんだからと意を決してマンションの中に足を踏み入れた。


インターホンを鳴らしてみても応答はなく、あたしは合鍵でオートロックを解除した。


エレベーターの中では、緊張のあまりか軽く目眩がした。


部屋の前でもう一度チャイムを鳴らしてみたけれど、やっぱり応答はない。


深呼吸をして、静かに鍵を開け扉を開いた。


玄関には靴が一足もなく、あたしは何だかホッと胸を撫で下ろした。


リビングへと足を踏み入れると、そこは散らかり放題。


元々、物があまりない部屋だけに、その荒れようには驚いてしまった。
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