四季〜二人で歩む季節〜
「ミユ?」
内藤さんの声がして、あたしはハッと我に返った。
「ごめんなさい。
さっ、行きましょ。」
何もなかったかのように、あたしもまた歩きだす。
久しぶりに見たレンは、悟くんが言っていたようにすっかり痩せてしまっていて、鋭かった目もどこか虚ろに見えた。
内藤さんと別れアパートに帰ってきても、さっき見た光景が頭から離れない。
レンは、あたしがマンションに行った事に気付いているんだろうか?
今日も深い眠りにつく事は出来ないみたいだ。
何度も寝返りを繰り返し、出勤の時間が近付いてくる。