四季〜二人で歩む季節〜


「はい?
…そうですけど。
…えっ?
……わかりました。」


ケータイを切り、あたしは言葉も出ず動揺していた。


「ミユ?どうした?」


レンがあたしの顔を覗き込み、あたしはゆっくりとレンに視線を向ける。


「警察からだって。」

「警察?」

「あの人が死んだ。」

「あの人?」


手が震えて、呼吸が乱れる。


「おい、ミユ!
大丈夫か?」

「…母親が死んだ。」

「死んだ?
マジかよ。
すぐ行くぞ。」


レンはあたしの手を引っ張ったけど、あたしの足には力が入らず立つ事さえ出来ない。
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