アタシと王子様
3年の教室へ来るのは緊張する。
見慣れないあたしに3年の先輩方がチラチラと視線を送っているのが分かった。
自然と早足になり下を見ながら先輩のクラスへ向かい、教室の中を覗くと立木先輩が1人本を読んでいるのに気がついた。
ちょうど窓際の席…―
気付くか気付かないぐらいの小さな音でノックした。
「先輩ぃ〜…」
「……」
一瞬、間があったものの偶然にも目が合って静かに立ち上がると廊下に出て来た。
「……どうしたの?」
「あ…先輩は…いますか?」
「アイツなら帰ったけど?ダルい〜…って言いながら一緒だったんじゃないの?」
「あ…えと…はい」
帰るなんて一言も言ってなかったよね。
「帰りに寄ってみれば?どうせ寝てるよ」
「…そうしてみます」
そう言ったあたしに立木先輩は優しい笑顔を向けた。