アタシと王子様


「よいしょ…どうしたの?何かあった?」



「何も…ただ…」



―…先輩の顔を見たかったんです。



なんて言えるはずもなく、紅茶に手を出した。



「お礼を…言いたくて…」


「お礼?なんの?」



「助けてくれた事で…」



「言ってなかったっけ?…いいのに…わざわざ」



「ありがとうございました…」



先輩はコーヒーを飲みながら手をヒラヒラと扇ぎ、気にするなというような仕草を見せた。



「……」



「……」



無言なのに居心地が良くて雑誌を読み始めた先輩の長い指にみとれてしまう。



じっと一点を見つめるあたしに気付いたのか、いつものように頭をグシャグシャと撫でてくれた。


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