Melody Honey
「イテッ!」

大沢くんがしりもちをついた。

「大沢くん!」

「行くんじゃねーよ!」

また引っ張られたかと思ったら、私は桐生の腕の中にいた。

「さっさと行くぞ!」

そう言って桐生が歩き出した。

突然歩き出した桐生に、腕の中にいた私は転びそうになった。

大沢くんに視線を向けると、しりもちをついた状態で私を見ていた。

悔しそうに、悲しそうに、大沢くんは私を見ていた。

逃げられない腕の中、私はどうすることもできなかった。
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