Melody Honey
「もうバカ!」

そう言った私に、
「すみません」

桐生は謝った。

全くもう…って言うか、えっ!?

「桐生詩音って、よくわかったね」

私は言った。

桐生なんて言う名字、他にもいるよね?

そう思った私に、
「桐生と言えば、その人しかいないと思ったので」

大沢くんが言った。

あっ、そうか。

いると言えばいるけど、結構珍しい名字だもんね。

「と言うか、あおいさんって桐生さんの恋人だったんですか!?」

恋人――今はその単語がすごく悲しかった。
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