白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
紗枝を促して、その場を去ろうとする佐助を制して、紗枝は臆することなく次郎に近づいていく。
「ご主人様。これは白桜の伝承者、武田常篤殿の御業です。」
「おのれ!この魔性め・・・裏切ったのか!」
「いえ・・・私はただ運命に従っただけのこと。」
次郎が懐から刀を抜き出して、それをふりかぶる。
「おのれ!いま少しでこの松代が・・・いや日本が変わったものを・・・!」
次郎から紗枝を救うべく、佐助が紗枝と次郎の間に割って入ろうとする。
しかし・・・その刀は紗枝ではなく・・・自らの首にかけられた。
容赦なく引かれたその刀から血が滴り落ちる。
「もはやこれまで!」
その言葉だけを残して次郎は果てた。
(目の前で二人もの夫を亡くした・・・)
紗枝はそんな自分の運命に、次郎に言われた言葉ではないが、『魔性』を感じずにはいられなかった。
自らにかかわる男は皆死んでいく。
そして、さらに常篤までもいまや死の危機が迫っているのだ。
「ご主人様。これは白桜の伝承者、武田常篤殿の御業です。」
「おのれ!この魔性め・・・裏切ったのか!」
「いえ・・・私はただ運命に従っただけのこと。」
次郎が懐から刀を抜き出して、それをふりかぶる。
「おのれ!いま少しでこの松代が・・・いや日本が変わったものを・・・!」
次郎から紗枝を救うべく、佐助が紗枝と次郎の間に割って入ろうとする。
しかし・・・その刀は紗枝ではなく・・・自らの首にかけられた。
容赦なく引かれたその刀から血が滴り落ちる。
「もはやこれまで!」
その言葉だけを残して次郎は果てた。
(目の前で二人もの夫を亡くした・・・)
紗枝はそんな自分の運命に、次郎に言われた言葉ではないが、『魔性』を感じずにはいられなかった。
自らにかかわる男は皆死んでいく。
そして、さらに常篤までもいまや死の危機が迫っているのだ。