銀色の月光
ここにあるものとは違い、
巨大に育つ木の中で
人々は隠れ住んでいるのだ。
隠れ住む、
とはいえ
”巣”の中は巨大な一個の
集合住宅であり、街なのだ。
数千人の単位で、
街には人が住んでいる。
さまざまな規則の中で
けれど、絶対の規則は、
外を飛ぶ、
龍と眼を合わさないこと。
それをすると、
龍は、真っすぐ”巣”に
飛び込んでくる。
龍は、邪魔者であり、
脅威なのだ。
カナメを止めなければ
が、
カナメは振り返ってヒ ルを見た。
陶器のような肌に、
冷たく綺麗に整った目鼻立ち。
今夜の月明かりは
それすらはっきりと
見せる。
「来ない方がいいよ。来るから。」