銀色の月光
カナメは微笑んだ。
可愛く崩れる笑顔。
けれど、
状況はそんな悠長なものではない。
風が不意に砂を巻き上げた。
見上げると、
薄青の空に、
白いものがいた。
こちらにまっすぐに迫ってくる。
ヒルは思わず悲鳴を上げた。
龍、だ。
誰も動けなかった。
彼らを狩るための部隊なのに、
突然すぎて、
誰も反応ができなかった、
ヒルですら。
ただ、カナメだけが、
冷たい笑みを浮かべて
龍を見つめている。
龍は一気にその巨大な姿を
視界いっぱいにさらしてうねると、
カナメめがけて突っ込んできた。