KEEP OUT!!

「あの日の夜、泣きながらウチにきた紗智ちゃんにびっくりしたな~」

 わたしもよく覚えてる。

 なんとかしてぬいぐるみを助けたかったけれど、できなくて、川に飛び込む勇気もなくて、でもあきらめきれずに見えなくなるまで追い続けて。

 気付けば夜になってて。

 たぶん、探せば同じものがお店で売れてたんじゃないかと思う。

 けれどそのぬいぐるみは、あのひとつしかない。

 八重ちゃんの思い出が染み付いたぬいぐるみは。

 だからわたしは悔しさと申し訳なさで大泣きしながら、その日のうちに彼女の家に謝りにいったのだ。

 足がすくんでしまうその前に。

「紗智ちゃんってね。どんなことも、その日のうちに話してくれるの」

「…………」

「特に“気まずくなりそうなこと”ほど、1秒でも早く」

「そう、だったっけ」

「うん。だから、ね。そんな紗智ちゃんがいいにくいことっていったら……亮平くんのことかなって。これみて思ったの」

 いって携帯をカバンから取り出す八重ちゃん。

 それはさっきわたしが送ったメール。

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