KEEP OUT!!
「みてた、のか?」
床にしゃがみこんだままのわたしの頭上から、固くなった声が降ってくる。
亮平がどんな表情をしているのか気になったけれど、それを確認するために顔を上げる勇気は、ない。
代わりにわたしは、
「たまたま、ね……。覗くつもりはなかったんだけど」
カレの内心を探るようにそういった。
沈黙。
それに対しての返答はない。
窓の外ではあいかわらず雨が降り続いていて、それが緞帳(どんちょう)のようにそこから外の音を締め出して、わたしたちをひとつの世界に押し込めていた。
だから、よけいに今この場所が息苦しい。
おまけに亮平にひざまずくような形のまま互いに固まってるものだから、まるでわたしが何か悪いことをしたかのよう。
けれどそれ以上問い詰めてくる様子はない。
そりゃそうよね。
亮平からしたら“みられたくないところ”だったのだろうから。
わたし以上に動揺してるに違いない。
でもそれは……つまりそれは……。
「ねぇ……」
視線を床に向けたまま、立ち上がる。
はは。
馬鹿だな、わたし。
「ねぇ──」
ゆっくりと顔を上げて、カレと視線を合わせる。
少し、鼻の奥がつんっ、とした。