KEEP OUT!!

「理由もなくサボってるってぇんなら怒るがね。少なくとも、理由もなくってぇツラじゃぁないなぁ……」

「え?」

 思わず振り返る。

 けれど草にぃはまたグラスを光にかざしてて。

 片目をつぶったまま、

「それからだな。俺ぁいかにも“怒って下さい”てツラしてるやつの自虐に献身的に“利用”されてやるほど、親切じゃないんでね」

「そっ……んな、こと」

 ない、とまで言い切ることが出来なかった。

 だって、図星だったから。

 たんっ、とグラスを置いた草にぃは一旦カウンターの下にしゃがみこむと、そこにある冷蔵庫の扉を開けて、

「ま、もちっと暇潰しに付き合ってくれよ」

 うっすらと白く霜のついた百合型のグラスを取り出した。

「チョコパフェとイチゴパフェ、どっちがいい?」

「草にぃって、やっぱり意地悪だよね……」

「そいつはどうも」

「イチゴがいい」

「仰せのままに、お嬢様」

 でもやっぱり、それ以上にやさしい。

 絶対に口に出してはいってあげないけどね。

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