KEEP OUT!!
言い訳なんていらない。
ただありのままの事実を告げる。
しっかりと。
「紗智、ちゃん……」
でも本当は──怖くて、怖くて、怖くて、膝が小刻みに震えているのがわかった。
背中の内側が萎縮(いしゅく)する感覚が襲ってくる。
全身の力が抜けて今にも倒れてしまいそうだ。
けれどもぎゅっ、と拳を握りしめてそれを必死にこらえ八重ちゃんの言葉を待つ。
それがわたしの“選択”だから。
ほころびをさらにほどく役割は、自分だと。
もしかすると“我慢”することとは逆の“自己犠牲”かもしれなくて。
これもまた偽善なのかもしれない。
だとしても、苦しみを全て引き受けたなんていう悲劇のヒロインぶったものよりずっとわたしらしい。
そう思う。
木陰が、風でさやと音を立てながら揺れる。
八重ちゃんは軽く髪を押さえると、つま先に視線を落としてきゅっ、と唇を引き結ぶとひとこと、
「そっかぁ……」
そんな言葉をこぼし、そしてゆっくりと顔を上げるとわたしに視線を合わせ、
「やっぱり好きになっちゃったかぁ……」
眉をハの字にして微笑んだ。