猫と僕と
「気付いたら、私……ホームの端から野次馬達を見てた。そしたら、急に龍ちゃんに会いたくなって…おかしいよね。親や友達じゃなくて龍ちゃんだったなんて…だってさ、龍ちゃんは私の事なんて知らなかったのに。」




背筋が冷たくなるような感覚がした。僕は愛したはずの凜に恐怖を感じ始めていた。



だって、この話しが本当なら凜は…。



怖くなって、思わずボンを触る手に力が入った。


ボンはそれでも、スヤスヤ眠るだけだった。




「なぁ…そんな話し…信用できるわけないだろ。もしかして、僕と別れたくてそんな嘘を…」

「嘘じゃない。」



凜は真剣な目で僕を見た。



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