准教授 高野先生の個人授業

艶っぽい視線も派手な喘ぎ声も必要ない。

“心もカラダもすべてみんな預けます”という全幅の信頼、

懸命に想いを伝えようとしてくれるその気持ちだけでもう・・・それで僕は十分だ。


僕らの行為の趣きは限りなく“あはれ”というより“をかし”に近い。

僕はスマートな所作などおかまいなしに普通に流れをぶった切る。

「じゃあ、“靴下”履くから待っててね」

こんなふうにカッコ悪くあからさまに間をとるのも、最初の頃はわざとだった。

“ちゃんと避妊するからね”という意思表示をするために。

そのほうが彼女も安心できるかな?と思ったから。

だけど今では――

「どうやって待ってたらいい?」

「お好きなようにどうぞ」

「んじゃあ、今日はねぇ・・・」

ともすれば白けてしまいそうなこの“間”を、彼女が大いに楽しんでいる・・・。


< 44 / 55 >

この作品をシェア

pagetop