ほどよい愛
「やっぱり…」

今村さんは、やっぱり恭汰の事が好きなんだ…。

「…でも、俺は結衣を愛する事ができないってわかってて…悲しそうに俺に抱かれようとする結衣の顔を見たら…抱けなかった」

「…え?」

「結衣の事抱けなかった。愛する事はできなくても、大切な存在だから」

私の髪を優しく撫でながら見つめる瞳は悲しく自嘲気味で、私も切なく揺れている。

「言ったろ?俺は大した人生送ってないって」

「恭…」

「結衣が、俺に後悔するようなばかな真似する事を止めてくれたんだ。
今何の後ろめたさもなく葵一人を愛する事ができるのも、結衣が俺をおしとどめてくれたおかげなんだ」

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