彼女の嘘と俺の嘘
「シバにオセロで勝つこと」
サキは布団の中からポケットサイズのオセロゲームを愉快そうに取り出した。
「いいよ。でも手加減はしないよ」
「望むところ。ジャンケンで勝ったほうが先手ね」
「わかった」
「最初はグー、ジャンケンポン……あぁ~負けたぁ」
「ぼくが白になろうか?」
「いいよ。勝ってみせる」
ベッドの上に置いた盤面におれとサキはマグネットが仕込んである石を置いていく。
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