-意地悪王子な旦那様-



「片言すぎんのよ。はいはい、高い高いしてごめんなさいね。…あ!喋った!キャー!」


舞ちゃんが黄色い声をあげた瞬間地面に落とされた。


「痛たたた…」


いきなり手を離さないでよねっ!



…でも、少しだけ見えた彼の顔は女ウケが良さそうな綺麗な顔立ちをしていた。


「かっこいい…」


ふと漏れた声に私は顔を赤らめた。


皆、聞いてないよね?だって…


「「「キャーーーー!!!!」」」



女の子たちの声が大きすぎて、周りの男の子は皆耳を塞いでいるもの。



うん、皆うるさい。



さっき見たあの人の顔を思い浮かべては顔が赤くなる。




これって… まさか…



「一目惚れ?」




桜の花びらを舞わせる風に、春の暖かさを感じた。



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