絶対服従の恋
「…泰明様。
いい加減に、こちらの世界に戻って来て頂かないと
痛い人に見えますよ。」

さっきから、
この俺様を哀れむ様に
見つめ、溜息をつく男。

藤堂慎一(とうどうしんいち)

先祖代々、七条家に
仕える藤堂家の人間だ。

慎一とは、幼少の頃から
一緒に育ち、
(慎一の方が10才年上だが)
今は俺様専属の秘書をしている。

「慎一、
哀れみの視線を感じるのだが…。」

「ご自覚がお有りなら
私から申し上げる事はございません。」

さらりと返される。

(しばし沈黙……)

「…。後、何分で着く?」

「そうですね。30分程
でしょうか。」

慎一が、
スケジュール帳を確認しながら答える。

車は、駅前の人通りの多い道に
差し掛かる所だ。

流れる町並みを黙って眺めた。
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