物の気持ち絵本(絵なし)短編集
次に桃太郎を拾ったのは金持ちの太った老人

彼は桃太郎の入った鍋を拾って家に持ち帰った

鍋の中には「桃太郎」と書かれた白い紙

どうやら桃太郎を生んだ夫婦が最初に入れていたようだ

しかしその老人はその紙を破き「時重郎」と名付けました

時重郎は信じられない早さで大きくなりました

五歳になるころにはすでにその老人を大きく上回る大きさになっていました

老人は時重郎を実の孫ように育てました

しかし時重郎が六歳になろうかという時

老人の実の息子に子どもができたのです

本当の孫ができてからというもの

老人は時重郎に冷たく当たるようになりました

そしてある晩

時重郎にとって運命の日がやってきたのです
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