ケイカ -桂花-
普通にしなきゃ、普通、普通。

だけど耳だけには勝手に意識が集中していく。

「・・・日曜日ぃ、マミとぉ・・・」

2人の横を速度を変えず通り過ぎて教室へ入る。

日曜日、って確かに言った。

日曜日あんたと何?

何言ってんの?

今すぐマミの前まで行って、つきあってる、ってはっきり言いたい。

人の男に手出すな、って言葉を投げ付けてやりたい。

その顔が、その声が、髪型が、とにかくムカつく。

鳥肌が立って、指先の感覚が無くなるくらいにムカつく。

その矛先は次第に宮崎にも向き始める。

なんで迷惑だって、話しかけるな、って言ってくれないの?

私が横を通ったの気付いたはずなのに、まだそんなとこでマミと一緒に突っ立って。

2人ともムカつく。
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