ケイカ -桂花-
分かってるって、私だって、これがただの焼きもちだって。

そんなにおどおどしなくたって、宮崎はマミに呼び出されて仕方なくそこにいるだけだって、分かってる。

内緒にしたいって言ったのは、私の方だって。

だからマミはつきあってる事を知らないって。

分かってる、分かってる。

全部分かってるよっ。

頭ではこんなにはっきり分かってるのに、頭と色んな線で繋がってるはずの体は全然納得してくれない。

風邪ひいた時みたいに、熱いのに、寒気がする。




-----ホントに風邪だった、らしい。

午後になって保健室で熱があると判明し、私は早退した。

「何か欲しい物ある?」

お母さんの言葉に、

「ペプシ飲みたい、ノーマルのやつ」

うわごとみたいに答えた。
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