ケイカ -桂花-
「ハナー?制服姿久しぶりだー」

ケイの声と、カチャカチャと鍵を開ける音に、ガラスの壁にもたれかかっていた体を起こした。

体が重い。

「ハナっ?どうしたのっ?」

目が合うと、悲鳴のような高い声でケイが言った。

見開いた目と、開いたままの口がおかしい。

「なにその顔、笑えるー」

だけど笑い声はノドに引っ掛かって音にならなかった。

「ハナ!」

今度は強い口調だった。

同時にケイが掴もうと伸ばした手から逃げる様に、右手をガラスに向けて指さした。

「そこ汚しちゃったからすぐキレイにするね。あと、ノドからからなんだ、なんか飲ませてよ」

立ち上がるとお尻と膝が痛かった。

「じゃあ、早く入りなよ」

ケイは興奮を抑えた低い声でつぶやいた。

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