ケイカ -桂花-
「・・宮崎が転校したのって、宗教と何か関係あるの?」

『結局それが聞きたかっただけのくせに。騙されてるとか偉そうに言っちゃってさ』

「どこに行ったの?」

『教えなーい、部外者だから』

楽しそうに弾んだ声、こっちも学校では聞いたことがない。

「教えろよっ」

『教えないってば。ただ、あんたはもう会えない、私は会える』

もう宗教なんて関係なかった。

宮崎が好きな女2人、だ。

『アハハハハッ』

狂気を含んだ高笑いが耳に響く。

「なにが心が満たされないだよ、宮崎が目的なんだろ?宮崎に近づく為に入っただけだろ?」

『何とでも言えばいい。アハハハハ・・・』

Dの笑い声を聞きたくなくて、一方的に電話を切った。


虚しさだけが体に残った。

私の言葉なんて誰にも、何にも伝わらない。

何一つ思い通りになってなんてくれない。

心が満たされてないのは私の方だ。
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