ケイカ -桂花-
もう思い出すことも無くなった愛人との再会は、突然だった。

学校帰り、夕日が街を染めていた。

そのオレンジの中、ふいに金髪の後姿が目に留まり、気付いた時には愛人の肩を掴み、叫んでいた。

「ケイっ!!」

息が上がってかすれた自分の声に、走って来たんだと気付いた。

同時に、自分が何をやっているのか分からなくて動揺と緊張が走った。

「あれー?ハナ?」

ケイの呑気な声は救いになった。

意味不明の行動を気にも止めず、偶然だねーとか言っている。
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