ケイカ -桂花-
夜の街は夕方とは全く違っていた。
酔っ払ったサラリーマンや、目の鋭い客引きの男、両手にパンパンに詰まったカバンを持ってふらふらと歩くうつろな目の人。
店の前で手を振るお姉さん達はネオンの元で一層輝いていた。
お酒や香水に混じって夜の匂いが鼻の奥に届く。
怖いんだけど、変にキラキラしていてどこか魅力的にも感じた。
キョロキョロしていると、異様な集団が目に留まった。
若い女の子ばかりの一団は、夜遊びに来ている様にはとても見えない。
5、6人が全員くすんだ水色のシャツと同じ色のパンツ姿で歩き、それだけでも目をひくが、明らかに周りと雰囲気が違う。
おしゃべりをするわけでもなく、歩くのが目的みたいに一定の速度で進んでいる。
全員が同じ様にほほえみを湛えているが、ちっとも楽しそうじゃなくて、とにかく気持ち悪い。
「なにあれ?」
「ん?・・・ああ。宗教」
宗教?
夜の街に縁は無いが、宗教という言葉にはもっと縁が無い。
酔っ払ったサラリーマンや、目の鋭い客引きの男、両手にパンパンに詰まったカバンを持ってふらふらと歩くうつろな目の人。
店の前で手を振るお姉さん達はネオンの元で一層輝いていた。
お酒や香水に混じって夜の匂いが鼻の奥に届く。
怖いんだけど、変にキラキラしていてどこか魅力的にも感じた。
キョロキョロしていると、異様な集団が目に留まった。
若い女の子ばかりの一団は、夜遊びに来ている様にはとても見えない。
5、6人が全員くすんだ水色のシャツと同じ色のパンツ姿で歩き、それだけでも目をひくが、明らかに周りと雰囲気が違う。
おしゃべりをするわけでもなく、歩くのが目的みたいに一定の速度で進んでいる。
全員が同じ様にほほえみを湛えているが、ちっとも楽しそうじゃなくて、とにかく気持ち悪い。
「なにあれ?」
「ん?・・・ああ。宗教」
宗教?
夜の街に縁は無いが、宗教という言葉にはもっと縁が無い。